Q & A

腹部大動脈瘤Q & A

よくある質問に回答を付けて掲載いたします

  1. 実施医の申請
  2. 指導医の申請
  3. 実施施設の申請
  4. 追跡調査関連

1.実施医の申請

質問1:
経験症例数のなかに冠動脈や胸部など、腹部以外の実績を含んでもよいですか?
回答:
症例は「腹部大動脈・腸骨動脈瘤」、「腸骨動脈領域」となっています。
質問2:
リザーバー留置や骨盤骨折に対するTAEは腸骨動脈領域の血管内治療に含まれますか?
回答:
病的血管疾患群(動脈硬化や外傷等による狭窄・閉塞・解離あるいは瘤形成など)の診断治療経験を問うもので、腫瘍や外傷等の非血管性疾患は含まれません。
質問3:
両側の腸骨動脈にステント留置を行った場合、血管内治療として2症例の経験になりますか?
回答:
治療経験は原則として症例単位ですので、複数病変に対して行った治療は1例とみなされます。
質問4:
腸骨動脈領域の血管内治療として、血栓摘除術の経験は含まれますか?
回答:
バルーンカテーテルによる動脈あるいは静脈の血栓除去術は含まれません。
質問5:
血液透析用のシャント造設術は、血管内治療に含まれますか?
回答:
血管病変に対する血管内治療の経験が問われていますので、シャント造設術は認められません。
質問6:
ステントグラフト内挿術(TEVARあるいはEVAR)の術中に、術者として腸骨動脈領域の治療を実施した場合、血管内治療の術者経験となりますか?
回答:
EVARあるいはTVARの術中における血管内治療の経験は、その術者であっても第一助手経験とみなされます。
質問7:
ステントグラフト内挿術(TEVARあるいはEVAR)に第一助手として参加した場合、術中に腸骨動脈領域の治療を行っていなくても血管内治療の経験となりますか?
回答:
TEVARあるいはEVARの第一助手であれば、術中付加手技の有無にかかわらず、血管内治療の第一助手経験として認められます。
質問8:
腸骨動脈領域の血管内治療の第一助手15例に含めたEVAR第一助手の経験を、腹部大動脈・腸骨動脈瘤の治療10例と重複して申請してもよいですか。
回答:
腸骨動脈領域の血管内治療20例と腹部大動脈・腸骨動脈瘤の治療10例を合わせた30例の実施経験が求められています。それら症例が重複している場合は症例数不足と判断されます。
質問9:
腸骨動脈領域の血管内治療を、術者として5例および第一助手として15例(合計20例)以上経験していること(2010年3月改訂)とありますが、例えば、術者10例、第一助手10例の合計20例でも基準を満たすことになるでしょうか?
回答:
第一助手の経験数は術者経験数で満たすことができます。術者5例以上を含む20例以上とご理解ください。
質問10:
腸骨動脈領域の血管内治療を術者として5例以上とありますが、助手として指導した経験でもいいでしょうか?
回答:
指導的助手として認められます。
(日本外科学会「専門医研修カリキュラム」P.6を参照)
質問11:
腹部大動脈・腸骨動脈瘤の治療に第4助手で参加した症例も含めていいですか?
回答:
術者もしくは第1助手から第3助手まで(合計4名)が基礎経験として認められます。
質問12:
血管内治療20例以上と大動脈瘤手術10例以上とありますが、一人の医師が両方クリアしないといけないですか?
回答:
両項目ともに実施医希望者お一人が経験すべきものです。なお、大動脈瘤手術10例にはステントグラフト内挿術も含まれます。
質問13:
実施施設に勤務していないと実施医の申請はできませんか?
回答:
実施医の申請に、実施施設との関連は要求されていません。
質問14:
経験症例について、申請書に記入した数だけ手術・手技記録のコピーを添付しなければならないですか。例えば、100症例と書いて基準の30症例だけ添付ということはできませんか?
回答:
記録コピーは基準に定められた症例数分だけで結構です。
質問15:
基礎経験審査合格通知をもらう前に、実施医基準審査の申請をしてもよいですか。もしできなければ、いつごろ基礎経験合格通知をもらえますか?
回答:
申請される方は、基礎経験審査に合格している必要があります。委員会の審査が済み次第、合格証明証を発行しております。多施設臨床治験や海外経験などで既に実施医の条件を満たしている方は、基礎経験審査を一緒に申請してください。
質問16:
手術・手技記録のコピーを提出とありますが、手術記録を作成していない施設もあります。その場合、退院サマリーや簡単な手術時の記載などでも代用可能でしょうか。
回答:
実施者(術者あるいは助手)として当該治療に参加したことを証明する必要があります。
質問17:
勤務地が変わった時は、実施医の変更手続きが必要ですか?
回答:
実施医の所属施設が変更になった場合は、追跡調査のためのID/PWを新たに発行しますので、必ず変更手続きをしてください。
質問18:
術者症例にステントグラフト(脚)内挿術が含まれる場合、罰則規定にありますか。
回答:
現在、腸骨動脈領域に対し脚のみを用いたステントグラフト内挿術は腹部の術者・基礎経験として認められます。

2.指導医の申請

質問1:
希望者は、申請書類(様式3)に審査・証明書発行手数料振込み用紙のコピーを添えて管理委員会に送付するとありますが、実施医審査を受けなくてもよいですか?その場合、退院サマリーや簡単な手術時の記載などでも代用可能でしょうか。
回答:
指導医を申請される方は、実施医審査に合格している必要があります。多施設臨床治験や海外経験などで既に指導医の条件を満たしている方は、基礎経験審査および実施医審査とを一緒に申請してください。
質問2:
ステントグラフト内挿術の経験のなかに胸部大動脈瘤など、腹部以外の実績を含んでもよいですか?
回答:
疾患についての規定はありません。
質問3:
ステントグラフト内挿術の経験は、異なった機種(ZenithやExcluderなど)を合わせて30症例でよいですか?
回答:
機種の違いにかかわらず、ステントグラフト(自作を含む)治療の経験が30症例となっています。
質問4:
経験症例について、申請書に記入した数だけ手術・手技記録のコピーを添付しなければならないですか。例えば、100症例と書いて基準の30症例だけ添付ということはできませんか?
回答:
基準に定められた例数分のコピーだけで結構です。
質問5:
腹部大動脈ステントグラフト指導医の申請に必要な術者経験として、症例の中にメインボディ挿入のない脚のみの追加術は含んでもよろしいでしょうか?
回答:
経験症例については、使用デバイス等で規定されるものではなく、適応疾患(腹部大動脈瘤、腹部大動脈‐腸骨動脈瘤、腸骨動脈瘤)に対する治療であることが条件となります。
単独腸骨動脈瘤に対するステントグラフト脚を用いた血管内治療は認められますが、腹部大動脈ステントグラフト内挿術後の追加術式としてのステントグラフト脚内挿は認められません。

3.実施施設の申請

質問1:
実施施設基準審査のみを申請する事は可能ですか?その場合、退院サマリーや簡単な手術時の記載などでも代用可能でしょうか。
回答:
可能です。
質問2:
DSAが設置されている血管造影室で緊急手術ができる体制でないといけないのでしょうか。例えば、応急処置後すぐに手術室に移し緊急開腹ができる体制なら良いでしょうか?
回答:
基準(註1)では、看護師、麻酔科医、臨床工学技士を含む大血管手術が可能な体制をもつ施設であることを問うています。例えば、血管造影室において緊急事態が発生し、手術室への搬送等が原因で患者に不利益が生じた場合等については、当該施設の責任において対処せられるべきものと解釈されます。
質問3:
手術実績「腹部大動脈瘤10例を含む血管外科手術」として、腹部大動脈瘤以外には何を含めればよいですか。また、血管内治療については腸骨動脈領域だけでなく大腿膝窩動脈領域や、内シャント狭窄に対する血管内治療も含めてよいですか?
回答:
施設として常時、血管外科手術や血管内治療が行われているかを確認するためですので、治療対象は動脈領域の血管疾患であればよいことになります。
質問4:
「手術・手技記録」と「腹部大動脈瘤破裂に対する手術」の「患者氏名,生年月日を削除する」と記載されていますが、「患者番号」は削除してはいけないということですか?
回答:
患者の個人情報を保護するための規定ですので、各施設の判断にお任せします。
質問5:
「腹部大動脈瘤10例を含む血管外科手術や血管内治療を年間30例以上施行」とありますが、これはいつの年をカウントすれば宜しいのでしょうか?
回答:
申請される期日に出来るだけ近接した時期から遡った1年間としてください。なお、近接1年以内において実施数が30例を超えた場合は、その時点で集計を終了することができます。
質問6:
動脈瘤破裂の手術を3例以上経験した外科医として、手術を指導した医師は認められますか?
回答:
指導的助手としての手術経験をもつ常勤医を含みます。
質問7:
大動脈瘤破裂手術の経験として、破裂瘤に対するステントグラフト内挿術は認められますか?
回答:
ステントグラフト内挿術の外科的バックアップ体制が問われていますので、常勤外科医の外科手術記録が必要となります。なお、外科手術の実施期日に期間的な制限はありません。
質問8:
実施施設において治療された症例を、審査に合格していない施設でfollow upしている場合、その追跡調査データの登録・入力はfollow upしている施設で行うことができますか。
回答:
追跡調査症例の登録は、治療を実施された施設の協力義務となっておりますので、その追跡データの入力は当該実施施設にてお願いすることになります。

4.追跡調査関連

質問1:
5年間にわたり追跡調査している症例で、この間に動脈瘤が完全に消失した場合、6年以降も追跡調査が必要ですか。必要な理由を教えてください。
回答:
追跡調査期間は、瘤の拡大・縮小にかかわらず10年です。
瘤が一旦縮小・消失した後も、再発・再拡大する例があるためです。なお、有害事象の発生等にて人工血管置換に変更された場合は、追跡中止となります。
質問2:
同一症例で異なる企業デバイスを組み合わせた治療を行った場合、追跡調査にはどのように登録すればいいのでしょうか?
回答:
追跡調査は1症例1機種を原則としています。治療の主体をなすデバイスを追跡項目に選定し、その他に使用した異なる企業デバイスは「付加機器」項目への入力、あるいは追加機種として術式を含めてコメント記載でお願いします。
質問3:
追跡時期について、例えば1年目であれば、その前後どのくらいまでの時期が該当するのでしょうか?
回答:
術後遠隔期では、追跡(検査)時期が大きく外れることも想定し、調査該当時期に3~6ヵ月程度の猶予をもって確認しております。

■「入力可(白色)」:追跡調査期日(術後6ヵ月、術後1年毎)の各々60日前~30日後。

■「未入力(ピンク)」:各追跡調査期日より30日後まで。

追跡調査データの入力については、上記のように規定されておりますが、遠隔期においては調査(検査等)時期が大きく外れることも想定しております。このため、追跡調査データの入力は術前~術後(退院時)に限り完了していただくようお願いしており、6ヵ月以降については調査時期より半年程度の猶予もって確認させていただいておりますので調査を予定されている場合は未入力のままとしていただいて結構です。

また、ご登録のお願いのメール送信は、例えば施術日から365日以上経過していて、1年の症例記録が登録されていない場合にお知らせをしております。
例:6ヶ月 =180日、1年 =365日

※症例記録に「死亡」もしくは「調査終了(摘出)」が登録されている場合、メール送信対象の症例とはなりません。