JACSMによる論文発表

1) Obitsu Y, Ishimaru S, Shigematsu H. The education system to master endovascular aortic repair in Japan - the Japanese Committee for Stentgraft Management. Eur J Vasc Endovasc Surg. 2010 Mar;39 Suppl 1:S5-9. doi: 10.1016/j.ejvs.2009.12.024.

 解説:JACSMの設立の経緯やシステム、また初期成績について示したものです。本邦のデバイスラグを逆手にとったJACSMによる管理システムは、世界にインパクトを与えました。


2) Hoshina K, Ishimaru S, Sasabuchi Y, Yasunaga H, Komori K; Japan Committee for Stentgraft Management (JACSM). Outcomes of endovascular repair for abdominal aortic aneurysms: a nationwide survey in Japan. Ann Surg. 2019 Mar;269(3):564-573. doi: 10.1097/SLA.0000000000002508.

 解説:2006年から2015年までのNCD非登録データを使用した、腹部大動脈瘤に対するEVARの成績の解析です。脚のみの使用、破裂などを除いたもので、通常の待機EVARのアウトカムをみています。解剖学的因子が細かく規定されているのが特徴です。また瘤の5㎜以上の拡張をアウトカムの一つとしているのも、あまり例を見ない貴重な報告です。


3) Hoshina K, Kato M, Ishimaru S, Michihata N, Yasunaga H, Komori K; Japanese Committee for Stentgraft Management (JACSM). Impact of the urgency and the landing zone on rates of in-hospital death, stroke, and paraplegia following thoracic endovascular aortic repair in Japan. J Vasc Surg. 2021 Feb 3:S0741-5214(21)00142-7. doi: 10.1016/j.jvs.2020.12.091.

 解説:2008年から2015年までのNCD非登録データを使用した、胸部大動脈に対するTEVARの成績の解析です。胸部大動脈瘤14235例と、解離(A型990例、B型4259例)に分けたところが特徴です。胸部に関しては瘤と解離で大きく成績に違いがあり、また治療目的すらも瘤のexclusionとentry閉鎖のように異なります。よって、かなりトリッキーな印象のあるシナリオですが、胸椎レベルでステントグラフトのカバー長で解析するなど、他のlarge population studyではないような因子での解析が行われています。