動脈瘤は動脈壁の弱くなっている部分に発生します。
腹部大動脈瘤の予防は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防に通じています。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つ以上を合併した状態をいい、これらが多数重積すると相乗的に動脈硬化性疾患の危険性が高まります。
コレステロール値や中性脂肪値、血糖値を改善して動脈硬化を予防することは、腹部大動脈瘤の予防にも役立ちます。
高齢者に多い高血圧と、長い期間の喫煙習慣は動脈瘤のリスクを増大させます。直径が4センチ程度の大動脈瘤は、1年の間に2ミリ前後ずつ拡張するという統計がありますが、喫煙は拡張のスピードをさらに速くするといわれています。
一旦拡大した大動脈瘤を小さくするような特効薬はなく、動脈硬化の危険因子である高血圧や高脂血症、糖尿病の改善や、禁煙によって瘤を大きくしないように注意することが必要です。