全身に血液を送る大動脈は体の中で最も太い血管で、心臓から上向きに出た後,頭や腕などに血液を送る3本の血管を枝分かれさせながら弓状に左後方へ大きく曲がり,ほぼ背骨の前面に沿って腹部方向に下っています。
心臓から横隔膜までを胸部大動脈、横隔膜から下の部分を腹部大動脈といいます。
大動脈の中には高い圧力(血圧)がかかっているので、動脈硬化などで弱くなった部分があると、“瘤(こぶ)”ができやすくなります。血管の壁が薄くなって大きく膨らんでくる病気が動脈瘤(どうみゃくりゅう)です。
動脈瘤ができても血管の機能が低下する事はなく、ほとんどが無症状ですが、破裂すると激烈な胸痛や腰痛、大出血による意識障害などを起こし、突然死することもある恐ろしい病気です。