大動脈の壁は三枚の膜が重なった層状構造になっています。
大動脈壁の内膜が裂けると、その裂け目に血液が勢いよく流れこみ、外膜との間に本来あってはいけない血液の通り道ができてしまいます。これを大動脈解離と呼びます。
大動脈解離によって2列に分かれた血管は極めてもろく、破裂すれば即死してしまう可能性もあります。
大動脈解離ではなく、血管壁が3層構造を保ったまま瘤状に膨らむタイプを「真性大動脈瘤」といい、膨らみ方によって次の2つに分けられます。
- a) 紡錘状(ぼうすいじょう)大動脈瘤:
- 大動脈壁の全周が膨らんだタイプ。
- b) 嚢状(のうじょう)大動脈瘤:
- 大動脈の壁の一部だけが突き出るように膨らんだタイプ。
一般的に嚢状大動脈瘤は大動脈瘤自体が小さくても破裂しやすいといわれています。