生活習慣病と大動脈瘤 - 糖尿病

 膵臓から分泌されるインスリン(ホルモン)量の不足または作用不足により,血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が続く代謝異常に基づく疾患です。

症状・診断・治療

大動脈瘤との関係

 大動脈瘤の主な原因として、動脈硬化があります。動脈硬化は、加齢などによって動脈の血管が硬くなり、血液の循環が悪くなる状態です。動脈硬化の危険因子の1つに糖尿病があります。また、糖尿病だけでなく、血液中のブドウ糖代謝に異常が生じている状態の「耐糖能異常(糖尿病予備軍群)」も同様に、動脈硬化の危険因子とされています。

 血糖値が高いと、動脈硬化を防ぐ働きをするHDL(善玉)コレステロールが減少することなどから、血液の流れが滞り、血管の内側を覆う内皮細胞に傷が付きます。通常、内皮細胞は血管の収縮や拡張を調節したり、血栓の形成を防いだりといった働きをしていますが、内皮細胞がダメージを受けるとこの働きが失われ、動脈硬化が進行します。

 動脈硬化や炎症が進むと血管の内壁がもろくなり、弱った部分に動脈瘤が形成されやすくなります。大動脈瘤の予防には、動脈硬化を促進する高血糖の症状を改善する取り組みが必要とされます。

診断チェック